ビジネスや製品に応じた戦略的な知財戦略が大切!

知的財産におけるスピードの重要性

知的財産権を意識することは、ビジネス上とても重要です

創造的なアイデアをビジネスに活かすために

新しい事業を始めるときに、誰も気づいていなかった発想や、自分で生み出した発明など、何らかのアイデアをもとにビジネスを展開することはよくあります。新たなアイデアを活用して事業を展開するにあたっては、それを自分や自社以外の第三者に勝手に利用されないように、アイデアの保護に注意を払うことが重要になります。

ところが、新しいアイデアとはいえ、知ってしまえば真似をすること自体はそれほど難しくないケースも多く見られます。そのような場合に、あなたや自社がアイデアをもとに創作・発明した著作物や特許物などを保護するために上手に活用したいのが「知的財産権」という権利です。知的財産権について理解し、自社のビジネスに関わる権利をどのようにして守るかを検討することは、事業者にとって非常に重要な課題となります。

アイデアの種類によっても対応の仕方が違う点に注意!

注意ただし、知的財産権は「財産的価値を持つ情報」に対してのみ認められる権利なので、すべてのアイデアが対象となるわけではありません。また、特許権のように登録手続きが必要なものや、著作権のように創作とともに自然発生するものなど、権利によっても法律としての扱いに違いがあります。

アイデアを生み出す事業者としては、対象のアイデアを保護するために、知的財産権の法律的な枠組みのなかでどういった手段を用いて対処することが一番有効なのかを、弁護士などの専門家と相談しながら検討することが大切です。そのうえで、適切なタイミングでの商標の登録や特許の出願など、スピーディーな対応を目指しましょう。

「発明したら登録出願」を忘れずに!

特許権の取得は、早いもの勝ちの先願主義

たとえば、あなたが発明した新しい技術やアイデアをもとに事業展開を始めたとします。ところが忙しい日々に追われ、うっかり特許の出願をしないまま商品開発や販売の準備を進めてしまうと…。場合によっては同じような時期に、同じようなアイデアを他の事業者が思いつくことも考えられます。そうしたケースで、あなたが先に思いついていたアイデアが後発の事業者によって先に出願・登録されてしまうと、せっかく準備を進めていた新規の事業を断念せざるをえなくなってしまいます。

ビジネスに関わる新たな発明やアイデアは、社会の求める必要性や需要によって生みだされます。そのため、まったく同じアイデアを複数の人が思いつくことは珍しくはありません。また、あなたの発明を何らかの形で知った悪意ある第三者が、勝手に特許出願をしてしまう可能性もあります。

特許法は、先にアイデアを思いついた人ではなく、先に出願した人に優先権を認めています。自社にとって大きな利益を生み出す可能性があったにもかかわらず、うっかり登録をし忘れていたために他社に出し抜かれてしまった…。そんなことが無いように、「生み出したアイデアは登録を忘れない」ことを意識して、ビジネスにのぞむことが大切です。

ひとつの特許で不十分な場合は周辺特許取得の検討も

技術の用途によっては複数の特許が必要になる?

また、たとえ新たな発明に対するスピーディな特許出願を行ったとしても、ひとつの特許だけでは、その特許技術を使った製品を完成させられないといったケースも考えられます。製品というのは、ひとつの技術だけでなく、車でいえばエンジン部分、電気系統、シートやタイヤ、そして各々を構成する部品など、数え上げればきりがない細かなパーツの組み合わせで完成品となります。それにともない、部品の組み上げ方、取り付け方などにも新しいアイデアが必要となる場合もあるのです。

最終的な製品に技術がどう使われるかを意識しよう

たとえば、あなたの会社で新しいエンジンを開発したとしましょう。それについての特許も取得し、生産は順調に進んでいきます。ところが、そのエンジンの取り付けや固定方法の発明について、第三者が特許を取得していたとすると…。いくらエンジンの生産が進んでも、最終的な完成品の生産が自社で自由に行えなくなってしまいます。

このように、新規の発明をした際に必要なのはひとつの特許出願だけとは限らず、それに関連するもの、このケースではエンジンの取り付け方などの「周辺特許」を取得する必要が出てくることもあります。そのため、発明を行ったと同時に、どのような内容、どの範囲で、何に対して特許出願をするのかといったことを、十分に検討しておきましょう。

アイデアや技術だけでなくネーミングも保護する知的財産権

製品の特性に見合った知財戦略を立てておこう!

また、新発明に関わる知的財産権が特許権だったとしても、特許だけではなく、商標権など他のカテゴリーを意識することも重要です。せっかく苦労を重ねて開発し、自信を持って世に送り出す新商品には、やはりそれにふさわしいブランド名や商品名をつけたいところ。それなのに第三者によって先に商標が登録されてしまっては、自社製品でありながら、希望する商品名で販売戦略を展開することができなくなってしまいます。

上手に活用すれば、ビジネスの核となる製品に関わるアイデアや技術、ブランド名や商品名を「財産」として守ってくれるのが特許権や商標権などの知的財産権です。ケースによっては、複数の種類の知的財産権にまたがって出願、登録が必要になる可能性までを考えて、自社の権利をきちんと見直したうえで有効な知財戦略を立てておきましょう。

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