債権回収を弁護士に相談・依頼するメリットと費用相場を解説!

債権回収

事業活動において避けられない売掛金や未収金の債権回収トラブル

債権回収のスピーディで確実な解決には専門家の力が不可欠

ビジネスに関わる債権には、本来の営業活動で得られるはずだった未回収の代金である「売掛金」と、それ以外(主たる営業活動以外)の特殊な取引によって生じた未回収の代金である「未収金」があります。たとえば、販売する製品やサービスの代金の未回収分は「売掛金」、あなたが借りているオフィスの一角を第三者に貸した場合の賃料や、設備や有価証券の売却代金の未回収分などが「未収金」と区別されています。

「売掛金」にしろ「未収金」にしろ、きちんと回収できなければ会社にとって大きな損失となってしまいます。そうしたリスクを防ぐためには、適切な契約書を交わしておくことはもちろん、相手方の素性を見極めたうえで取引を行うことが大切ですが、いくら気をつけていても売掛金や未収金に関わるトラブルはときには起こってしまうもの。そんなときには、専門家である弁護士などの力を借りて、スピーディで確実な解決を目指すのもひとつの方法です。

債権回収は弁護士に相談! その前に自分でやっておくべきこと

当事者間での話し合いによる円満解決がベスト

とはいえ、たとえば日頃から取引のある得意先が、納品した製品の代金を期日に支払ってくれなかったからといって、すぐに専門家を頼るのは得策ではありません。債権回収に関するトラブルのベストな解決方法は、取引先との信頼関係を維持したうえで双方の話し合いで解決ができること。

そのためにはまず、「担当者に電話や面談で事情を確認する」「請求書を再発行して催促を行う」といった、経営者自身や担当者レベルでできることをスピーディに実行することが大切です。

債権回収を弁護士に依頼するメリットとは?

当事者間で解決できない場合は早めに相談を!

回収ができていない売掛金や未収金について、相手方と話し合って支払い期日を決めたもののそれが守られない。あるいは、請求書を何度も送って催促したものの一向に解決の糸口がない…。そうした場合は、裁判所を通して法的手段に訴えるか、弁護士などの専門家に債権回収を依頼することで、解決の見通しを立てることができます。

裁判所を利用する際の方法としては、①民事調停、②支払督促、③少額訴訟、④民事訴訟といったものがありますが、どの方法を利用するにせよ、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

心理的プレッシャーだけで支払いに応じるケースも

もちろん、債権の額が小額で弁護士に支払う費用を考えると経済的でないという場合は別ですが、特に該当する債権が自社の事業活動に大きな意味を持つ場合などは、ぜひ専門家に相談してください。債権回収を弁護士に依頼することには、以下のようなメリットがあります。

①事案に応じた臨機応変な対応策を提案してもらえる

裁判所を利用せずに任意で回収するべきか、法的手段を利用してスピーディな解決を図るべきか。債権回収で最も難しいのが、事案に応じた回収方法の選択とも言えます。債権回収の経験が豊富な弁護士に相談をすれば、数々の方法のなかから最も確実に回収が期待できる方法を提案してもらえます。

②対応のミスをチェックし予防できる

いくら相手方が支払うべき代金などを支払ってくれないからといって、威圧的な姿勢で支払いを迫ったり執拗な訪問を繰り返したりしてしまうと、こちらの立場が悪くなってしまうことも考えられます。また、債権にはそれぞれに6ヶ月〜10年の時効が定められていますが、そうした時効の中断などの措置も講じてもらえます。

③相手方にプレッシャーを与えることができる

たとえば同じ内容証明郵便での督促を行うにしても、弁護士を代理人とした弁護士名での催告書であれば、相手方に与える心理的プレッシャーは大きくなります。こちら側に「支払われなければ法的手段を取る用意がある」ことを伝え、債権を回収するにあたっての「本気度」を示す意味でも、弁護士の介入は有効な手段となります。

④労力や精神的な負担を軽減できる

こじれてしまった未回収金などのトラブルを、当事者間の話し合いで解決するには精神的にも時間的にも大きな負担がかかってしまいます。そこで弁護士に交渉などを依頼すれば、任意で解決を図るにせよ法的手段を取るにせよ、労力や時間的な負担を軽減しつつ迅速かで確実な解決が期待できます。

債権回収を弁護士に依頼した場合の費用相場は?

それぞれの法律事務所が定める費用を依頼前に確認しよう!

債権回収を弁護士に依頼することには多くのメリットがありますが、相談をする前にまずは経済的な合理性を検討する必要があります。当然ですが、債権が小額の場合など、弁護士への相談料や費用が回収できる額を上回ってしまうと、経済的には会社が損をしてしまうことも。ここでは、弁護士に債権回収を依頼した際の費用相場を解説しますので、ご相談時の参考にしてください。

①内容証明郵便による催告書の作成・通知

内容証明郵便の作成のみを依頼する場合は、代理人として弁護士名が記載していない場合で1通数千円から3万円程度。代理人として弁護士名を記載する場合は、3万円〜10万円程度が相場となります。

②交渉の代理(裁判所を利用しない場合)

相手方に交渉に応じる姿勢があり話し合いでの解決が図れるケースで交渉を依頼する場合は、着手金が債権額100万円未満で10万円〜。加えて、回収できた金額の10%〜20%程度の成功報酬金がかかります。着手金の額については、一般的に債権の額に応じて高額になりますが、1億円程の債権額でも100万円未満におさまることが多いようです。

③交渉の代理(裁判所を利用した場合)

裁判所を利用した債権回収の方法としては、民事調停や訴訟、支払督促などがありますが、着手金の額については「裁判所を利用しない場合」と同額程度か、手続きの猥雑さに応じて数万円〜数十万円(債権額に応じる)が上乗せされるケースが一般的です。対して、成功報酬については、回収できた額の15%〜30%程度が相場となります。

また、①〜③でご紹介した費用の他に、内容証明郵便を利用する場合は約1500円の郵券代や登記簿の取り寄せにかかる数百円の費用、交渉の際の弁護士の出張費や裁判の打合せにかかる交通費、裁判所に収める費用などの実費が必要になります。

売掛金などの債権回収トラブルは放置しないことが重要です!

債権回収の実績がある弁護士にぜひ相談を!

債権回収を弁護士に依頼するメリットは、債権の額が高額になればなるほど大きくなりますが、当事者間の交渉では回収の見込みが立たない100万円未満のケースでも、回収に成功すれば十分に経済的なメリットを得ることができます。また、通信販売を行う会社など、それぞれの債権は小額でも数が多い場合、システム化を図ることで経済的メリットのある対応を提案してくれる弁護士や法律事務所も存在します。

売掛金などの確実な回収は、会社や事業を成長させるには不可欠なことです。弁護士への相談料は5000円から1万円程度。たとえ小額の話しであったとしても、売掛金や未収金のトラブルがあれば弁護士に相談してみるのもひとつの手。債権回収を得意とする弁護士であれば、そうしたトラブルを予防する手段やシンプルな解決法を提案してくれるはずです。

企業法務に強く評判の良い顧問弁護士を探す

企業法務

企業経営に法的リスクは避けられない

  • 不利な条件の契約書になっていないのかチェックして欲しい
  • 債権回収する上でトラブルが起こってしまった
  • 残業代請求やパワハラで従業員に訴えられて困っている